お口の健康情報

No.3『 だ液の話 “しっかり物を咬みましょう”』
 一日にだ液の分泌はどのくらいあるか知っていますか?成人で、1~1.5リットルといわれています。それでは、だ液の役割は、どんなものがあるかご存知でしょうか?

 まず、食べ物を分解するという消化作用がよく知られていますね。アミラーゼという酵素がその働きをしています。その他にもお口のなかをきれいにする洗浄作用、ミュータンス菌などの口腔内細菌に対する免疫作用、むし歯になりかけた歯を修復してくれる再石灰化作用、酸性に傾いた口腔環境を中性にもどす緩衝作用、細菌の発育を抑制するリゾチームという酵素による抗菌作用、粘膜保護作用、味覚や水分調節作用などがあげられます。そのどれもが全身の健康を守る上で大切な役割を果たしているわけです。

 それではだ液の分泌が少なくなるとどんな影響が出てくるでしょうか?口内炎ができやすくなり舌や頬の粘膜がぴりぴりする、むし歯や歯周病が進行する、食べ物の味が変化する、口腔咽頭部の病気にかかりやすくなるなど様々なことが生じます。

 よく物を咬むことで分泌は促進されますのでやわらかいものばかり食べず、しっかり咀嚼することを心がけてください。また、ストレスや病気、薬の副作用でだ液の分泌が少なくなることがあります。だ液の量が少なくなるといろいろなところで影響が出てくることになりますので心当たりの方は歯科医院で相談されてもいいでしょう。

岡山市歯科医師会

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