お口の健康情報

No.5『 歯周病と糖尿病の深いかかわり 』
 歯周病と糖尿病はお互いに影響を与える関係にあります。

 まず、糖尿病になると歯周病にかかりやすくなり、さらに重症の歯周病に進行しやすくなります。これは、糖尿病にかかることによって身体の免疫機能が低下し唾液の分泌も減少するため、歯周病菌が繁殖しやすくなり、炎症反応が悪化することが原因です。さらに、高血糖状態では血行不良などにより歯周組織が弱ってしまうため、歯周病が進行しやすくなります。

 一方では、歯周病があると糖尿病に悪影響を与えます。これは、炎症をおこした歯周組織に存在する多量の歯周病菌により生体が刺激を受け、インスリンの抵抗性を引き起こすことが原因と考えられています。血糖値を下げる作用のあるインスリンが分泌されても効果がなくなってくる状態になり、糖尿病が悪化します。

 糖尿病患者さんの約8割は歯周病の症状があり、ほとんどの人は歯周炎まで進行しています。従って糖尿病の治療は、内科的な血糖値のコントロールとともに、歯周病の治療を行なうことにより歯周病菌を減らし、炎症を抑えることでインスリンの効き目が良くなり、糖尿病をコントロールしやすい状況をつくることができます。

 従って、糖尿病にかかっていると判明した時点で歯科受診を行い、歯周病の治療、予防処置を行なうことが望ましいと考えられます。

岡山市歯科医師会

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