最近、テレビなどマスコミで取り上げられる機会も増え、皆さんご存じと思いますが、歯周病は口の中だけではなく糖尿病、心臓血管病、低体重児出産、呼吸器疾患など全身に悪影響を及ぼす病気ということが解明されてきています。
今回は歯周病と心臓血管病の関係についてのお話です。歯と歯肉の境目には歯肉溝(しにくこう)と呼ばれる溝があり、そこに歯垢がいつまでも残っていると、歯周病菌が増加します。そして、菌や菌の出す毒素が血管の中に進入すると生体の防御反応で動脈壁が硬くなり血液の流れが悪くなってしまいます。また、歯周病菌は血小板を集めて増殖させる因子を持っているといわれます。この集まった状態で血管壁からはがれると血栓(けっせん)となり心筋梗塞、脳梗塞ということにもなりかねません。
このほかにもさまざまな悪影響を心臓血管系に及ぼすといわれています。歯周病は初期の場合、痛みがあまりなく重症にならないと自覚症状のでにくい病気です。自宅でできる歯周病予防ケアとしてブラッシングは重要ですが、症状が進むとブラッシングだけでは歯周病を治せなくなってきます。歯肉が腫はれる、出血するなどの自覚症状がある場合には、手遅れになる前にぜひかかりつけの歯科医師に診てもらって下さい。
No.6『歯周病と心臓血管病について 』