お口の健康情報

No.14『賢い歯科矯正治療のかかり方(その2)』
~永久歯(大人の歯)を抜くことがあるらしいけど・・~

 確かに、むし歯でもない健康な歯を抜くには誰でも抵抗があるものです。矯正歯科医もできれば抜かずに治したいと考えています、しかし顎の大きさに比べて歯の大きさが大きすぎる場合、永久歯を抜かなければいけないことがあります。

 日本人の顎は西洋人に比べて奥行きがなく、一方歯は厚みがあり横幅も広いため抜歯が必要になる割合は欧米人に比べて多くなります。抜歯がどうしてもやむを得ない場合でも、正しい診断と正しい手順で治療を行えば、抜歯による医学的デメリットはほとんどなく、むしろ、歯の機能が高まり一生自分の歯だけで噛めるお口の環境ができると考えられます。

 われわれ歯科医師は極力抜かずに治したいと思っています。しかし抜かないことにこだわりすぎて無理に抜かずに並べると、治療後の安定性が格段に悪くなったり、治療後に口元が飛び出て見た目が悪くなり唇を自然な状態で閉じにくくなることもあります。また歯を細くするために必要以上に歯を削ってしまうのは百害あって一利無しです。

 まったく抜歯をしないで、全ての症例を治すというのは残念ながら不可能です。もっとも大切なのは、歯を抜く・抜かないではなく、治療後の状態を正確に予測し、咬み合わせと歯並びを整えていくことです。そのためには、どうしても抜歯しなければ治せない症例もあります。

岡山市歯科医師会

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