お口の健康情報

No.19『噛み合わせのチェックをしましょう』
 最近では歯周病という言葉をテレビの歯磨き粉や歯ブラシのCMの中でほぼ毎日のように耳にする機会が増えたことと思います。それに伴って正しい磨き方をしないと、あるいは歯科医院に行って歯石を取ったりしないと歯周病菌で歯茎や歯を支える骨がやられて歯が抜けてしまう、ということは皆さんかなり周知のこととなったように思います。

 歯周病の治療や予防の中でこれらのことはまず何よりも重要なことです。ところが、いったん歯周病が進みすぎて歯が動き始めるとこれだけでは不十分なこともあります。例えば腕や足を骨折したらギブスをしてしばらくはその場所に完全に力が加わらないように保護しますが、動き出した歯もそれと似たようなことをします。ただ歯の場合は毎日口で食事を採らないといけないので完全に力を遮断することができないため、動いている歯には極力噛む力が加わらないように噛み合わせを調整します。噛み合わせの調整の仕方は様々ですが、直接その歯を少し削ってほかの丈夫な歯に力を分散させる場合もあります。

 噛み合わせたときにそれぞれの歯に加わる力の強さやバランスは歯周病とのかかわりだけではなく、知覚過敏や顎関節症、肩こりや脳発育への刺激など多岐に影響を与えることがわかっています。虫歯でないところをむやみに削ることはできるだけ避けなければなりませんが、場合によってはそれによって大きな効果を得ることも多々あります。

 噛み合わせのチェックは担当の歯科医師の説明を聞きその目的を理解した上で行うことが望ましいでしょう。

岡山市歯科医師会

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