お口の健康情報

No.20『顎関節症』
 皆さんは、顎関節症という、病気の名前を聞いたことがあるでしょうか?

 最近、若い歌手の方も患って、公演を中止したと聞きますから、ご存知の方もおられると思いますが、あごの関節や、その付近の筋肉が運動する時の痛み、口を開閉口する時の雑音、あごの歪み、開口障害、などを主症状とする症候群の総称を、顎関節症といいます。

 顎関節症の原因には様々な説があります。主なものには、歯のかぶせやつめもの、入れ歯の具合が悪かったり、歯が抜けたままにしていたり、といった噛み合わせの不調によるものや、あごが、はずれそうになるほどの過剰な運動、その他、ストレスなども要因であるとされています。この顎関節症は私達が、日常臨床の場で、わりとよく遭遇するもので、歯科治療の変化や社会事情等を反映して、年々増加傾向にあるとされています。男性にもみられますが、女性に多くみられ20代が最も多く、ストレスの加わりやすい職種に多く発症するといわれ、片側のあごにだけ、症状が出現することが多いようです。

 痛みは、運動時の鈍い痛みで、あごの関節付近に現れるものが多く、口を開閉口する時に使う筋肉の痛みも多いようです。また、開閉口時の雑音とは、関節円板とよばれる、手や足の関節でいうところの、軟骨の役割を果たす組織の変調で音がするようになるといわれています。あごの歪みとは、口を開ける時に、痛みのある方へあごが偏ってしまうことをいいます。

 治療法としては、症状によってそれぞれ異なりますが、最も一般的なものは、マウスピースのようなものを作製し夜間の歯ぎしりを防ぎ、関節にかかる負担を軽減する方法や、噛み合わせの調整などと様々な治療法があります。

 これらの症状があった場合、お近くのかかりつけの歯科医院に相談してみてください。

岡山市歯科医師会

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