お口の健康情報

No.22『「食べること」の大切さ』
 近年、食生活をめぐる環境が変化し、食生活における栄養の偏りや、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加などの問題が生じています。そのため、健全な心身と豊かな人間性をはぐくむため食に関する教育、いわゆる食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進することなどを目的として、食育基本法が制定されました。同法では食育を生きる上での基本であり、健全な食生活を実践することができる人間を育てることを目指しています。

 現在の子供たちの食生活はどうでしょか?例えば、(1)子供一人での食事の増加(孤食)、(2)朝食の欠食、(3)加工食品の摂取の増加、(4)食物の軟食化などの問題がでてきています。そしてそのそれぞれが、(1)家族の団欒の喪失、(2)生活のリズムの乱れ、(3)不規則な栄養摂取、(4)歯肉炎・不正咬合のような2次的な問題を引き起こしていると思います。

 昔の食事を再現した復元食を用いたある研究においても、弥生時代の食事は食事時間が平均51分、噛む回数は平均3990回に対して、現代の食事は食事時間11分、噛む回数620回と報告されています。このようにお子さんを取り巻く食環境も変化してきています。

 歯科的には、歯ごたえのある物や栄養のバランスを考えた食事をして頂ければよいと思いますが、食べるということは全ての始まりです。お口の健康だけではなく体全体の健康のためにも、「食べること」の大切さを考え、おいしく、楽しく、ゆとりを持って食事をする習慣を作ることが大切です。

岡山市歯科医師会

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