お口の健康情報

No.36『歯科技工士3“歯科技工士の仕事”』
 今回は歯科技工士さんの仕事の内容についてお話します。歯科技工士さんの仕事は、歯科医師のパートナーとしてお口の中に入れられる銀歯・さし歯・入れ歯・矯正装置などを作製することです。

 小さな虫歯の治療を除いては、患者さんの歯を作るとき、お口の中の型取りを行い、それに石こうを流し込み、精密な模型を作製します。そして、この模型を使って銀歯・さし歯などを作ります。私たちの体は非常に良くできていて、ひとつひとつがどんな小さな所も意味のある形になっています。お口の中も例外ではありません。前歯、奥歯、歯ぐき、頬っぺた、唇などはもちろん、毎日ほとんど意識していない部分にもきちんとした意味があり、理にかなった形をしています。

 このため歯科技工士さんには、歯や歯ぐきの形、顎の動き方、筋肉のある場所など多くの専門的な知識とその知識を理解したうえ、指先でそれを表現することが求められるのです。そして、その際、歯科医師の指示のもとに患者さんの年齢、性別、噛み合せ、希望などを取り入れることも忘れてはなりません。非常に細かい、なおかつ集中力の必要な作業の末、患者さんの歯が出来上がります。なかなか簡単ではないことが想像されると思います。しかし、このようにして完成したさし歯や入れ歯を患者さんに使っていただいてお口の中の一部となり、喜んでもらった時の充実感は何事にも代えがたいものです。現在、歯科技工士は2年間の専門教育を受け、その後、国家試験に合格して初めてその資格を得ることができます。

 たった1本の歯がなくなっても様々な影響が及ぶことは以前にもこのコラムでお話しました。そして、そのたった1本の歯を正確に再現するために歯科医療チームの一員として歯科技工士さんの力は、大きなウエイトを占めていると言えるでしょう。

岡山市歯科医師会

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