お口の健康情報

No.38『睡眠時無呼吸症候群』
 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まった状態が断続的に繰り返される病気です。「無呼吸(10秒間以上の呼吸停止)の状態が、一晩(7時間)の睡眠中に30回以上おこる。または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上おこる」場合、無呼吸症候群と診断されます。睡眠時無呼吸症候群は、その結果として十分に睡眠がとれないことにより、昼間の眠気や集中力の低下を来し、時には重大事故を引き起こしてしまうなど社会的な問題となっています。また、酸素不足は循環機能に負担をかけ、不整脈、高血圧、心不全が現れやすく突然死などを招きやすいとも言われています。無呼吸になる原因は、舌根部の気道への落ち込みや肥満による気道の圧迫、扁桃肥大やアデノイドがあります。

 治療法としては、減量・飲酒の制限・禁煙など生活習慣の改善。鼻マスクと呼ばれる内科的治療。のどちんこあたりを切除し咽頭部を広くしてやる外科的治療がよく知られていますが、歯科装具による治療法もあります。オーダーメイドで作製したマウスピースのような装具を口腔内に装着して下顎を前方(下あごを受け口にするような方向)に引っ張ってやります。すると舌根部が挙上され空気の通りがよくなり、いびきや無呼吸が改善されます。他の治療と比べ身体の負担が少ないのが利点になります。ただし、口腔内の状況等により歯科装具による治療が適さない場合もあります。

 睡眠時無呼吸症候群の方は、大いびきをかく、日中の眠気がひどい、夜間に何度も目が覚めるなどの特徴があります。そういえば....という方は一度専門医を受診されることをお勧めします。

岡山市歯科医師会

一覧に戻る