お口の健康情報

No.40『歯科技工士4“歯科技工士の将来”』
 今回は、これから先の歯科技工士さんの大切な役割についてお話しましょう。皆さんがご存知のとおり、わが国は急速に、より高齢化社会へと進んでいきます。高齢の方が増えれば、より快適に過ごせるような生活環境を創っていかなければなりません。そのときに、私達歯科医師、歯科技工士はみなさんのお口と全身の健康にはどのように関わっていくのでしょうか。そこで、ご高齢の方に、一番の楽しみをお聞きしましたところ、趣味、テレビ、孫の相手、旅行などいろいろありますが、なんと約半分の方が“食べること”と答えられました。この最も楽しみとしている食事のとき、自分の食べたいものを食べることができるか、できないかは大きな違いがあります。

 お口の中に歯のなくなった場所があると、しっかりと噛むことができなくなるため、歯科医師はブリッジ、入れ歯、インプラントなどを用いて欠損している部分の治療をします。このとき、歯を製作してくれるのが歯科技工士です。つまり、高齢化社会を迎えて、歯科技工士の仕事は非常に重要になってくるのです。しかしながら、現在の歯科技工士の年齢構成は20~30歳代の方が非常に少なく、いわゆる団塊の世代と言われる50歳代後半から60歳代方が半数以上を占めているのが実情です。これから先10~15年後、さらなる高齢化社会を迎え歯科技工士の必要性が一段と高まったときに歯科技工士の数が足らなくなる恐れがあります。

 歯科技工技術の習得には、先輩の仕事を見て伝承されていく部分と新しい技術を取り入れていく部分があります。(どんな分野でも同じでしょう)今こそ若く柔軟な対応のできる歯科技工士が求められています。日本の歯科技工技術は、その品質、精度において世界一といわれています。この高い技術を育て伝えていくためにも、みなさんに歯科技工士という職業をもっと知っていただきたいと思います。岡山市歯科医師会では、歯科技工専門学院を運営して、歯科技工士の育成にも力を入れています。

 毎週、放送されているトレンディドラマの中で俳優のキムタクさんが歯科技工士の役を演じていただければ、認知度もイメージもぐっと上がるかもしれませんね。

岡山市歯科医師会

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