お口の健康情報

No.52『歯の定期健診のお話』
 皆さんは歯が痛くなくても歯医者に行っている方がおられるのをご存知ですか?検診ではなくあえて健診と呼ばせてもらっていますが、これはお口の中を検査するだけでなく、クリーニング、必要な方には歯石取り、歯茎の中の掃除、かみ合わせ調整、虫歯予防のためのお薬併用などを行っているからです。といっても痛いことはありません。また人生の若輩者である我々が年配の方々におこがましくもお口の衛生のお話をさせてもらっています。15年以上前に大学を卒業したときは、歯の予防という考えは一般開業医ではあまりなかったように思います。しかし、時代は変わってきました。歯科医院の看板にもインターネットにも予防という字をよく見かけます。虫歯予防、歯周病予防がメインにはなります。学生時代には悪い歯は周囲の歯(歯を支える顎の骨)にも悪い影響を与えるからという理由で抜歯をと習ったものです。しかし定期的に見せてもらって、出来るだけの対応をさせていただくことでかなり歯を抜く回数が減って来ました。そして数年後、レントゲンで周りの歯を見ても悪くなっていないので、これなら歯を抜かなくて良かった。という方がどんどん増えてきています。出来るなら歯を極力削らず悪くならないならそれに越したことはありませんよね。どうせなら自分の体が悪くなるのを待つよりは、悪くならないように予防したいものですよね!歯科もどんどん進歩しています。定期健診にとりかかって私どもは10年になろうかというところですが、実感としてかなり成果を感じています。来られる方の来院間隔はその方のお口の状況によりさまざまですが、健診歴が数年を越えた方のお口を見せていただくと本当にきれいです。時には、レントゲンなども資料にさせていただき目だけでは見えないところもチェックさせてもらっています。患者さんがセルフケアを頑張ってくださっていると、歯医者がすべき課題も見つかります。まだまだ勉強をと反省させられ、さらにやる気をいただいています。

 厚生労働省の統計では8020運動(80歳で自分の歯を20本残そう)という目標がありますが、最近のデータでは、8本ちょっとだそうです。これから先もずっと自分の歯でおいしいものをなんでも食べられるように、目指せ!8020

岡山市歯科医師会

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